里山サポートクラブを知ったのは、2 年ほど前のことかと思います。市の広報で太田ヶ谷運動
場傍にグリーンパークがあることを知り出かけた時のことでした。黄色のジャンパーを身にま
とい敷地内で整備作業を行っている集団を見かけ、少しの間お話をさせていただきました。
定年後の運動不足解消に何かボランティア活動でもとの安易な気持ち
で、昨年 10 月市役所で開催された「地域デビューきっかけ広場」に出か
けました。そこで団体を知り、その後活動時の片隅に加えさせていただ
いております。
市民の森整備へ少し参加してみようかとの軽いものだったため、活動
は予想以上に幅広く専門的な技術が必要でついてゆくのがなかなか大変
です。
山登り、バーベキューと戸外を楽しんできました。残り少ない年月、
里山活動もそんな楽しみの一つとなったら少し充実するかなぁ.
加入後半年。鶴ヶ島の里山維持にいくらかでもお役立ちができるよう
細く長く、微力ですが参加してまいりたいと思います。
第15号
2024.04.01
発行
小澤邦彦
編集
杉山行汪
雑木林
将来
副代表
佐野
英樹
鶴ヶ島市の里山(樹林地)は年間3~4haの割合で減少しています。市民の森も、相続や都市計画等
により減少しています。このような緑の減少は行政の取り組むべき大きな課題ですが、ここでは、鶴ヶ
島の雑木林の将来を考えてみます。
武蔵野の雑木林は自然林ではありません、長年にわたって畑作農民によって維持管理されて作り上げ
られた人工林です。農用林や営農林と呼ばれることもあります。この林のクヌギやコナラは薪や炭とな
り、落ち葉はたい肥として利用されました。十数年から二十年の間隔で部分的に皆伐し、林床に日光を
導き、株本からの「ひこばえ」の発生と成長を促します、これが「萌芽更新」で株立ちの若木からなる
雑木林が維持されます。雑という字を嫌って、農用林や営農林が使われることがあります。
私は5年程前に高倉の森からクヌギのドングリを10ケ持ち帰り植えました。そのうち8ケが発芽し
たので、二年ほど鉢で育て、藤金の森の少し開けた日照がありそうなところに植えてみました。残念な
がら枯れることはないものの、全く成長しません。素人の思い付きは一蹴されました。一方で、わが
ラブの活動として太田ヶ谷の森の広場に植えた木はほとんど枯れることなく成長しています。ドングリ
が落ちて芽吹くことがあっても十分な日照がないと成長しないようです。
鶴ヶ島の雑木林は萌芽更新を基本とする維持管理を受けなくなってから少なくとも五十年は経って
いるでしょう。今では、木々は高木化してまばらになり、枯れ木もあり、林床は笹に覆われています。
さらに放置すれば、木々は枯れて無くなり、笹薮となり、次に常緑広葉樹(照葉樹)が侵入してくるの
でしょう。このように放置された林をどのような樹林地に変えてゆくのが良いのでしょうか
私は、武蔵野の雑木林にこだわらずにクヌギやコナラだけではなく桜、楓、銀杏、欅のようないろ
いろな落葉広葉樹や花や実が楽しめる照葉樹もある住宅地の中の、見て楽しく歩いて楽しい平地林を目
指してはどうかと思っています。
ひよっこの
1月~3月の主な活動
鶴ヶ島仲良しっ子クラブの活動
当クラブが実施している里山体験会は大勢の子供と大人が森を賑わせています。この日の森は大変安全
な時空ですので、これを利用して仲良しっ子クラブでは独自の活動をしています。昨年は初めての単独企
画として農村センターでソーメン流しを実施し私たちとも大いに交流を持ちました。最近では大森農園で
野外で火おこしや野菜の収穫、炊事と昼食をして親子で野外活動を楽しんでいます。野菜嫌いな子が菜の
花のお浸しを恐る恐る口にし飲み込んだ時は青空の下、広い野原ならではの出来事でした。
進出企業から寄贈された樹木の移植作業が完了
鶴ヶ島市の工場を建設する企業が増えています。その内の一社が市に寄贈され仮植えしてい 80 本ほ
どの樹木の移植が完了しました。この作業は旧農業大学校の跡地にできたグリーンパークを森に育てよう
として結成されたグランドワークの事業で我々も会員団体として参加しています。
続々と冊子を発行
鶴ヶ島の里山」(20 年間の里山の推移から見た鶴ヶ島の里山)――鶴ヶ島町史の中に次のように記され
ている。鶴ヶ島町の森は、江戸時代中期までは原野が多かったが、中期以降原野が森林に増加し始めた。この
傾向は、昭和に入ると森林減少に転じ、昭和 35 年当時、都市化に伴う森林破壊が始まった」とある。昭和 35
(1960 )の林地は 248 町歩、 116 町歩、 975 町歩、昭和 60 (1985 )には林地は 147 町歩、 18
歩、 603 町歩に減少である。更に 2020 年に林地は 89.4ha(88.7 )にしている。この傾向に拍車が
かかる今日、人間が生きていく上で大切な森をどの様にして次の世代に森を継承し、活用していくかの課
題を豊富な資料で解説しています。(冊子は無料です。会員又は事務局に問い合わせ下さい。)
1月~3月 活動実施
1/10(水)高倉:ご神木注連縄張と森の整備
1/20(土)木工:ベ
1/27(土)藤金森の整備
2/03(土)五味谷の森の整備
2/10(土)桜移
2/24(土)木工:ベ
3/08(金)藤小:焼桜の植樹
3/16(土)仲良クラブ農
3/22(土)ベンチ搬
3/23(土)太田
4月~7 月 活動計画 (案)
4/20(土)結桜つり・市民の森整備
4/27(土)タケコ掘り大会
4/28(日)
5/5(金)タケコ掘り大会
5/8(水)桜新
5/19(日)大谷クリーン大作戦
5/25(土)飯盛清流復活大作戦
6/1(土)環境
6/2(日)高倉民の森里山体験会
6/15(土)藤金民の森整備
7/10(水)会員ーベキュー
7/22(土)ボランティア体験会 IN 五味ヶ谷
スケジュールは雨などで変更が有ります
ので、当クラブフHPで確認下さい。
最近
のトピックス
毎年、新年は高倉の森のご神木に注連縄を張り、幹の根元にお神酒
を注いでクラブの活動の安全を祈願して仕事始めとしています。
今年は元旦に能登の地震が有り翌日には羽田空港で航空機の衝突
事故があり、作業の安全へ誓いを新たにしました。
鶴ヶ島ほっこり村の入居者のためのベンチ第2弾が漸く完成しほ
っこり村の搬入しました。今回のベンチはベットとして利用できる
ので病室からそのまま屋外に出て楽しめるようになりました。市民
の森で巨木化した樹木をこのように利用する意義は大変貴重です。
これに要した延べ時間は大変のものでしたが需要が有ればこれから
も挑戦する意義を感じます。
鶴ヶ島市に工場を建設する企業が増えています。その内の一社が
市に寄贈されて、仮植えしていた 80 本ほどの樹木の移植が完了
ました。この作業はグリーンパークを整備していこうと、地元、
環境団体、市が結成したグランドワークの運営組織で里山サポー
トクラブも参加団体として参加しています。旧農業大学校の跡地
も段々に形ができてきましたが息の長い事業です。
藤小学校での焼芋作りは別に紹介します。
鶴ヶ島に小岸桜を千本えようと元な掛け声の
、運動公園前の小彼岸桜並木から若枝を採取し桜
育てていま。採取する 2 年目の若枝をでこ
し木にして年間、会員庭で育て、 1 年間畑に移
て樹高 1どに育てます。それを根巻きして更に一年間地植え 2ほどになったものを本
えします。今年は新たな試みとして根巻きの代りに鉢植えにしてグリーンパーク内仮植え地に移植しまし
た。来年がしみです。
IT デジタル基盤
強化
プログラムの
成果
牛島
哲雄
昨年 7月より NPO 法人より支援を受けてきたプログラムが一段落しました。
このプログラムは業界全体の IT デジタルを底上げするために企画されたと思いますが、当
クラブが選抜されたのは、推測するに、ある程度の IT 技術を有してはいるが、完成度が中途
半端であるため、基本的な部分を支援することによる効果が望める環境の団体であったように
思います。即ち、IT 人材が豊富な団体では支援する必要性はなく、逆に IT 技術が乏しいとこ
ろは支援が大変で敬遠される傾向にあったのではないかと思われます。
さて、運よく支援を受けることができた当クラブの弱点といえば、①データの管理がバラバ
ラで担当者不在時のデータ消滅の危険性があること。また、②現行のメール送信ではアドレス
が公開されてしまうため悪用される危険性があり、対策が必要であること。更に、③ホームペ
ージ画面がスマホでは字が小さくて見づらい点も懸案の一つでした。要は当クラブにおける
活動の広報、アピール等が時代に乗り切れていない状態で、データの管理能力についても旧態
以前のまま、高齢化による後継者問題もあきらめムードであり、若手の会員増員が喫緊の課題
と言える状態でした。
それに対する今回の IT プログラムでは、①データのクラウド化を図り google-drive とさく
らインターネットとの設定含め、データの一元化を図りました。また、②メールの送信も管理
者設定で一括管理、アドレスは非公開での送信ができるように指導を受け、改善することがで
きました。③ホームページもスマホ用に改良するよう助言され、特に新参者が活動に参加しや
すい画面(日程、場所の明確化)へと構築することができ、従来のパソコン用ホームページに
もつながるような方式で改善できました。
更に、facebookinstgramtwitter 等の SNS をうまく活用することで、当クラブの活動が
拡散できる可能性を指摘され、QR コードの表示につながりました。イベントの風景を投稿し
てもらうことが友達の友達にも紹介され、活動に賛同を得られる仕組みなども、成果として残
すことができました。
昨年の国土交通大臣の受賞等も、当クラブの 20 年にわたる
活動記録がホームページに掲載され、蓄積された刊行物の発
刊資料等が外部からも容易に閲覧できる状態にあったことな
ど、IT デジタルの道具として広く利用されるようになってき
たと思われます。これからも時流に乗った適切な ICT(情報
通信技術)が当クラブの活路になっていくものと信じています。
今回の IT デジタル強化プログラで支援をしていただいた細
見様、大森様に深く感謝をするとともに、今後ともご指導を
頂きたくよろしくお願い申し上げます。
ほっこり村診療所にベット型ベンチを贈
松下
さんが「
寺田虎彦記念賞」
受賞
会員の松下貢さんが第 43 回寺田寅彦記念賞を受賞されました。こ
の賞は寺田寅彦の出身地である高知県の公益財団法人高知県文教協
会が毎年行っているものです。賞の対象となった作品は、「田寅彦
『線香花火』『金平糖』を読む」(窮理舎)です。本作品は寅彦の随筆「
忘録」所収の「線香花火と「金平糖」の二つの科学随筆を中心に科学と
文学の立場からこれを研究・解説したものです。一昨年、昨年に渡っ
て鶴ヶ島第二小学校区地域支え合い協議会が主催したサイエンス・
ロンにおいては本書の内容を分かり易く話されていたので本書をお
読みになるとより理解が深まると思います。明治期の寺田寅彦が黙示
録のように暗示した科学の視点を現代に伝えようとする松下さんの
情熱を感
でし
ょう。是非、お勧め
い一
す。
藤小学校
焼芋作
りと
植樹
体験
藤小学校三年生の授業として焼芋作りと小彼岸桜の植樹に協力しま
した。藤小学校三年生は毎年、藤金市民の森で屋外授業を行ってい
て、全面的に協力しています。3 8 日は3年生全員と父兄が共同し
て焼芋作りをし併せて小彼岸桜4本を記念植樹しました。生徒、先
生、父兄、総勢 100 名ほどが食べる焼芋を焼くには、半切したドラム
5 個、火焚きには炎が出ないよう乾燥した竹を五味ヶ谷の森から運
んだり、燃焼中に破裂しないように予め割れ目をつけたりの予備作業
を前日から行いました。この体験は良い思い出になるでしょう。
市と社会福祉協議会、西中学校の連携で始まったベンチプロジェク
トは 2 年目です。昨年度は老人施設鶴ヶ島ほほえみの郷と一本 7
号公園(西中学校近傍)にベンチを寄贈しました。続いて今年度は、
療型特定短期入所施設『ほっこり村診療所』に 10 月に 2 台の丸太
ンチを庭に設置したのに続いて 3 22 日には 90×90cm のベッド型
ベンチを 2 台搬入しました。製作に当たっては、民の森で巨木化し
た樹木を間伐し、運搬し、製材し、加工し、塗装し、搬入するまでを
会員の協力で実施しています。当クラブでは以前から椅子付きテーブ
ルや簡単な丸太ベンチを多数つくり市民の森や太田ヶ谷のグリー
パークに設置してきましたがそれらに比べると今回の作品は製材、
工に高度な技術と多くの手間をかけた作品です。施設の方々に喜ば
大いに活用されるように願っています
市民の森である里山の樹木は、かつては凡そ 20 年程度で世代交代
させてきたものですが、農村からすっかり都市化してしまった現在で
は、それをせずに巨木化、古木化し、ナラ枯れも進行しています。
ンチプロジェクトはこうした課題の一つの解決策です。
編集後記
毎年1月から3月は参加者を募集するような行事はないが、それでも地味だが本来の定例作業や新規
事業や飛び込み行事が発生する。それらは記事で紹介したが会員の高齢化や新規加入、各行事参加者の
増加が課題になっている。高齢化とか失われた 30 年とか元気の出ない言葉を耳にするが言い訳をして
いても始まらず柔軟な発想を取り入れる必要がある。どうしたらいいのか、信を編集するたびにそん
なことを考える。 http://www.satoyamasupport.com/